2年前のW杯カタール大会において、目標となるベスト8を達成することができなかったサッカー日本代表・SAMURAI BLUE。しかしその後の目を見張る急成長に、FIFAから「日本が世界王者になるのも夢物語ではない!」と断言し、その徹底分析した成長を報じてくれています。
1998年のフランス大会がW杯初出場となっていた日本。サッカーにおける世界最高峰の大会に位置付けられている今大会において、世界の強豪チームを抑え優勝するということは、数年前までは夢物語となっていたかもしれませんが、FIFAからは日本の躍進に期待の声が…。
12月上旬に投稿された、「クロアチア戦の敗戦から2年:アジア初の世界王者への道」とのタイトルでFIFAからの記事には、2年前のカタール大会においてグループステージにおいて大躍進をみせながらも、ラウンド16においてクロアチアにPKで敗れてしまったことを記述。
「過去最高成績となるベスト8進出を目指し、難敵のクロアチア代表との大一番に臨んだサムライブルーだったが、悲願のベスト8進出を果たすことはできなかった…このカタール大会では、森保監督はボールを保持して後方からビルドアップしていく伝統的なスタイルを捨て勝利のためにより実践的なアプローチをとった。ディフェンスに回るときは自陣に引いてしっかりと守り、ハイプレスから相手陣内でボールを奪って素早いカウンターを仕掛けた。懐疑的な見方をする声が多かったものの、この森保監督のアプローチは、世界一を経験しているドイツとスペインを倒すという大きな成果をあげた。しかし、守備的なチームと対戦する場合は、このアプローチはあまり機能しなかったのは事実である。コスタリカ戦ではゴールを奪えず敗戦し、クロアチア戦では先制した後に攻めあぐね追加点を挙げることができなかった」と固執したシステムによってのメリットデメリットを挙げ、チームを率いる森保監督に変化をもたらす一手の重要性を説いていました。
続けて、「さらに過去のW杯を振り返っても、日本が早い段階で先制しながらも逆転負けするケースはいくつかある。ドイツW杯のオーストラリア戦やブラジルW杯のコートジボワール戦、さらにロシアW杯のベルギー戦では、リードを奪った途端に弱気になり、リスクや勇気を持って攻撃できなくなるところは、克服しなければいけないメンタリティであることはよく指摘されていた。さらに、点が欲しい場面で大黒柱のモドリッチとコバチッチの2人を同時に下げられるほど余裕があったクロアチアとは対照的に、日本は遠藤航や冨安健洋ら負傷者に頼らざるを得なかった。この点でも当時の日本代表の課題と改善点が明確に浮き彫りになっていた」と分析。
しかしそれから2年後の現在、日本はほぼ同じメンバーでありながらもアジア予選では快進撃を続け、グループ首位を独走中。混戦模様の他グループや、他大陸予選ではブラジルなどの強豪が苦しんでいる中、レベルアップした日本の充実ぶりは際立っていることを明言。
そんな日本のこの2年での成長の一つとして挙げられているのが、「個」の能力の格段の進化。記事では、「11月に日本代表へ招集された27人の選手中23人はヨーロッパでプレーしており、その中には三笘薫や久保建英などのスター選手が含まれている。誰がプレーしてもクオリティは落ちず、選手層の厚さは歴代一と言っても過言ではないだろう。そういった高いレベルでのチーム内の競争が選手たちを刺激して、より高いレベルへ成長しようとする好循環も生まれている。彼らはレベルの高いリーグで毎週競い合っていることに加え、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなどの最高峰のコンペティションでプレーすることも珍しいことではなくなってきた。この大舞台で活躍する選手が何人もチームに存在するようになったことが大きな違いをもたらしている。日常的に大きな大会でプレーすることで経験値が蓄えられ、いざという時の大一番でも平常心に近い状態でプレーすることができるからだ」と選手たちの成長を絶賛。
そして2つ目として、森保監督がアジア予選の中でも様々試している、戦術や戦況に応じた柔軟なフォーメーション変更について次のように記述。
「アジア予選では3バックが機能し、日本の強みである中盤のクオリティが輝き、圧倒的な攻撃力を誇った。過去には苦手にしていたアウェーゲームも難なく攻略し、相手が日本対策を敷いてきたとしても、それを跳ね返すだけの多彩な戦術のバリエーションを持ち合わせているそれは今年の1月に行なわれたアジアカップと見比べても明らかだろう。対策を講じてきた相手に対して有効な手を打つことができずに、その策略にハマってしまい苦戦を強いられたアジアカップだったが、このアジア予選では相手が練ってきた対策に柔軟に対応して、最適な戦術やフォーメーションでそれを掻い潜っている。さらにアジアカップで露呈したセットプレーで失点する弱点が見られていたが、それも克服しているようで、安定した守備でこのアジア予選を通じてもわずか2失点(うち1点はオウンゴール)だ」とこちらも大絶賛。
しかしそんな日本の成長を報じながらも、日本が26年W杯でベスト8及び優勝を目指すには、FIFAが冒頭に指摘したメンタルの弱さの克服が絶対条件だとし「選手個人がさらなる成長をし続け、さらに数ある戦術の完成度を極限まで高めつつ、どんな相手でも怖気付くことなく、自分たちの実力を発揮できる土台を構築していくことが鍵となるだろう。一昔前は不可能と思われていた日本が世界王者になるという夢物語も、現時点での勢いを考えると、彼らがW杯を制覇するアジア大陸史上初の国となってもおかしい話ではない。森保監督率いる蒼き侍が着実にこのシナリオを進んでいけば、7月19日にアメリカ・ニュージャージーのスタジアムで栄光のトロフィーを掲げているのは蒼き侍たちかもしれない!」とまで言及。
そんなFIFAからや日本のファンの方々の期待を背負いつつ、サムライブルーは躍動してくれることでしょう。