ミラノ五輪プレシーズン、GP大会などで順調な歩みを進めているフィギュアスケートペアのりくりゅう。そんなりくりゅうの三浦選手が『憧れの存在』と語っていたスイハンペアのスイ選手が現役復帰を宣言すると、五輪公式など海外メディアが続々とこれを報じています。
今や世界でもトップペアとなっているりくりゅうですが、北京冬季五輪ではそんな2人を抑え金メダルに輝いていたのがスイ・ウェンジン選手とハン・ツォンさん。2人は惜しまれつつも解散を発表していたのですが、最近になって地元・中国からスイ選手の復帰が報じられたのです。
12月6日、中国国営通信社の中国新聞社は「スイ・ウェンジンが正式に復帰し、ミラノで競技することを目標にしていることを発表。彼女と新たなパートナーであるリー・ゼンのプロフィールが最近になってISUのウェブサイトに掲載されたのだ!」との驚きの書き出しから「中国のフィギュアスケートペアの名将で、北京冬季五輪チャンピオンのスイは6日、自身のSNSで復帰を宣言し、練習を再開したことを明らかにした。彼女は、『長らくの準備とチームの助けを得て、私たちはトレーニングを再開してミラノ冬季五輪に備える段階に入った。これから先ももっと多くのプログラムを見せ続け、競技場で皆さんとお会いすることを期待しています。中国代表のみんな、ミラノで頑張ろう!』というメッセージを発表。さらに動画も投稿しており、滑らかなスケーティングや安定したジャンプで調子の良さを見せている。ISUが最近更新した選手プロフィールでは、スイの新しいパートナーは1999年生まれのリー・ゼンとなっている」などと報じ、この発表に中国ファンは歓喜となっていたようです。
またこれを知った五輪公式も、公式サイトで「北京金のスイが新パートナーと競技復帰!」とのタイトルで電撃復帰を報道。これによると、スイ選手は北京五輪後は大会に出場しておらず、北京ダンスアカデミーで様々なダンスや表現を学び、自国若手ペアのプログラムの振り付けを手伝っていたとのことで、じっくり力をつけてきたスイ選手に期待する記述も…。一方で、ミラノ冬季五輪を目指さないことを発表しているハンさんは、現在チンファ大学のスポーツ学部で講師を務めているとのことで、2021年のGP大会で優勝した最後の中国ペアの復帰はなく、それぞれ別の道を歩んでいることも改めて伝えてくれていました。
一時は、2人がゲームのCM動画に登場し、直前には解散したと思われていただけにファンの方々からは驚きの声が上がっており、150万回以上再生されるほど大きな話題となっていましたが、残念ながらこの2人が再びリンクの上で演じることは今後ないようです。
日本でも「スイハン」の愛称で親しまれ、ジュニアのGPファイナルや世界選手権を制覇すると、シニアでも4大陸選手権や世界選手権、そして五輪でもメダルを獲得してきた2人はスーパースラムを達成を達成。そんな素晴らしいペアには、世界中に多くのファンの方々が存在。
そんな2人のことを「大好きです!憧れです❤︎」と語っていたのが、りくりゅうの三浦選手。特にスイ選手のファンであることを公言しており、国際大会で一緒になった際は、バンケットなどで手紙を渡したり、一緒に写真を撮ったりしたことをSNSにアップするほど…。
大好きです
— Riku Miura 三浦璃来 (@miurariku1217) 2019年2月10日
憧れです🥰 https://t.co/NUeVQY3d4s
美しい。なんでだろう。涙が出てくる。
— Riku Miura 三浦璃来 (@miurariku1217) 2021年10月30日
こんな人の感情を動かせられる演技ができるようになりたい。#WenjingSui #CongHan #スイハン
2021年のGP大会に出場していたスイハンの演技を見た三浦選手は、SNSで「美しい。なんでだろう。涙が出てくる。こんな人の感情を動かせられる演技ができるようになりたい。」と語り、手紙を渡した際は「女神でした❤︎お手紙も受け取って頂けました!もう幸せです♪」などと感動や大きな愛を次々と語っていました。きっと三浦選手がスイ選手への憧れで寄せた部分はあると思いますが、雰囲気の似ている2人は演技後の挨拶の仕草や表彰式での様子などもそっくり。そして木原選手とのイチャイチャする様子なども、実はそっくりな気も…。
Pairs Free Skating victory 🥇 for Wenjing Sui / Cong Han 🇨🇳 😍 😍 👏 👏 ⛸️ at the Four Continents in Seoul 🇰🇷 #4ContsFigure #FigureSkating pic.twitter.com/8IdzTZXTO2
— ISU Figure Skating (@ISU_Figure) 2020年2月8日
そんな新ペア結成を発表したスイ選手とリー選手は、現実的には五輪プレシーズンである今シーズン中盤という難しいタイミングでの結成。五輪金メダルなど実力の高いスイ選手と、新パートナーのリー選手の考え方次第だと思いますが、五輪を目指すとなると厳しい現実も…。
新たにスイ選手のパートナーとなるリー選手は、昨シーズンまで別のペアと組み、国内大会で2位となるなど高い実力がありますので、それぞれの力量であれば中国代表となることや、国内大会でのメダル獲得、もしかすると早い段階で国際大会への派遣もあり得るでしょう。
しかしいくら代表となっても、ISUが定めるミニマムスコアをクリアしないと国際大会や五輪には出場できませんので、中国スケート連盟の厚い待遇を受けることができれば、早ければ今シーズン後半、遅くても来シーズンのチャレンジャーシリーズなどに出場しそうです。
新ペア結成前の2人であれば問題ないのでしょうが、互いのスケーティングの質やスピード、フィーリングが大事になってくるペア競技。木原選手と三浦選手もトライアウトの段階からその抜群の相性を互いに感じ、今では世界トップペアにまで上り詰めていますので、個々の能力というよりも、リンク上での相性が大事になってくるのでしょう。そう考えると、ペアにおいてはベテランの域に入っているスイ選手のことですので、時間をかけてパートナーを吟味し、ハン選手に匹敵するほどのリー選手を見つけていたのかもしれません。
ペア結成の経緯などについては、恐らく今後2人から語られると思われますが、シングルに比べ選手生命が長めであるカップル競技。現在りくりゅうの1番のライバルと思われるディアナ・ステラート選手/マキシム・デシャン選手組のディアナ選手も、今年40歳となっても笑い飛ばすように「年齢などただの数字」と語っており、次々メダルを量産しています。そんな中での中国の新ペア誕生ということですが、三浦選手はスイ選手の復帰について少し複雑に思っているかもしれませんね。