リンク上だけでなくトークなど様々な場面で魅了してくれる、世界王者・りくりゅうペアの三浦璃来選手と木原龍一選手。
今回のりくりゅう小話シリーズ・第2弾は、つらいコロナ禍を2人で乗り越え、明るい未来を自分たちの力で掴みとったお話です。
★つらいコロナ禍…★
ペア結成1シーズン目のグランプリシリーズ・NHK杯で5位、四大陸選手権では8位と、いきなり相性の良さを見せつけ、今後に期待が高まっていたものの、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、様々なイベントが中止に追いやられ、この年の世界選手権も中止に…。
そんな世界が沈みがちで自身らも大会に出場できず、カナダの練習拠点にすらも行けないという生活の中、日本スケート連盟のSNSに登場し、
「皆さん、自粛生活はいかがお過ごしでしょうか。
私はチームメートとコーチ、トレーナーとでオンラインのトレーニングをしています。
今はつらい時期ですが、きっと明るい未来が来ると信じています。
1日でも早く収束することを願って、私自身も私にできることを精いっぱい取り組みたいと思います。
皆さまもお体にはお気を付け下さい!」
と三浦選手が自身のアパートから力強いメッセージを送ると、木原選手も、
「今、世界中でコロナウイルスの影響により、大変な目に遭われている方々。
そして、この先を不安に思われている方々。
たくさんいらっしゃると思います。
ですが、このつらい時期というのは必ず終わりが来ます。
私は再び皆さまの前で演技できる日が必ず来ることを信じています。
そして、このつらい状況だからこそ一人一人が自覚をもった行動をし、感染拡大防止に務め、コロナウイルスに打ち勝ちましょう。
頑張りましょう!」
と語り、世界選手権で披露するはずだった演技を投稿。
フィギュアスケート三浦璃来/木原龍一組のメッセージをお届けいたします。#SkateForward明るい未来へ #フィギュアスケート #ペア #三浦璃来 #木原龍一 pic.twitter.com/woPP3n0oI0
— 公益財団法人日本スケート連盟 Japan Skating Federation (@skatingjapan) 2020年5月4日
そんな自粛生活を続けながらも、いつ本格的なトレーニングを開始してもいいように自宅でも準備を進めてきた2人。
徐々に部屋の外でも練習ができるようになり、6月には久しぶりにリンク上で練習ができたことを報告してくれていました。
しかし、大会となると、初戦に予定していたグランプリシリーズのスケートカナダは中止。
全日本選手権についても、渡航制限があることなどから棄権に…。
ファンの方々に演技が届けられると期待し調子を上げていたとのことで、ファンの方々からも残念がる声が…。
★ついに大会へ♪★
それでも、厳戒態勢の中スウェーデンで開催された世界選手権に出場。
ショートプログラムでは64点台を出し8位でフリーに進むと、フリーでは120点という自己ベストを叩き出し最終10位に…。
これにより、北京冬季オリンピックへのペアの出場枠「1」を獲得していました。
Thank you very much for all your support and encouragement. I am extremely grateful for all who have helped me.
— Ryuichi Kihara(木原龍一) (@ryuichi_kihara) 2021年3月26日
世界選手権応援ありがとうございました。サポートしてくださった全ての方々に感謝します#木下グループ #skateoakville #edeaskates #edeafamily #kozukablades #山一ハガネ pic.twitter.com/XyMmcPIRcr
この成績は、日本ペア史上においても歴史的快挙となっていたのですが、貪欲な2人は
「全体的に楽しめたので、細かいミスは出てしまったんですけど、パーソナルベストが出たので、すごくよかったのかなと思います…」
と木原選手がフリー直後に息を切らしながら語ると、三浦選手も
「ミスも悔しいんですけど、パフォーマンスをすることができて、得点を出せたのでよかったなと思います!」
と久しぶりに演技できたことへの喜びとともに、ミスがあったことへの悔しさを語ってくれていました。
また、木原選手は
「まだまだ伸びしろはあるかな。
この1年間試合がキャンセルになったり中止になったりして、このプログラムを早く披露したいと話していたので、ようやく皆様に披露できたのは嬉しかった。
それに、代表枠を獲得できたのは嬉しいんですけど、今日の内容が僕たちにとってはベストではなかったので、すごく悔しいです。
伸びしろあると思うので、今すぐにでもカナダに帰って練習したい気分です。
帰れないですけど…」
また、
「全体的に良い経験をさせてもらえたので、この悔しさをばねに来シーズンも2人で頑張っていきたい!」
と締め括った三浦選手に対し、木原選手は
「来年はもっと厳しい戦いになると思うので、今日の悔しさを必ず生かして
逆襲したい!(?)」
世界選手権⛸を終えた二人からメッセージが届きました‼️@miurariku1217 @ryuichi_kihara #木下グループ #figureskate #pairskating #三浦璃来 #木原龍一 #りくりゅう #WorldFigure #Stockholm2021 #五輪枠獲得 #目覚ましい成長 #無事のご帰国を #BOIでお待ちしています pic.twitter.com/7bIHZBP2m6
— 木下グループ スポーツ (@Kinoshita_Sport) 2021年3月28日
★JAPAN主将!★
その後、4月に日本で開催された国別対抗戦では、チームジャパンの首相を務めた木原選手。
応援席には、選手たちの顔写真を貼ったうちわを持ち込んでいたのですが、裏には選手たちの子ども時代の可愛い写真を貼る演出で、たちまち大きな話題に…。
大会前には
「パーソナルベストを更新して、200点台を取りたい!
チームでも個人でも表彰台に乗れるように、頑張りたいと思います!
そして、皆様の前で滑る楽しさをお届けできれば…」
と語っていた2人は、応援でも演技でもチームジャパンのために大活躍。
目標達成の200点台には3点ほど届かなかったものの、幸せ溢れる演技で観ている方々を笑顔にし、ショートプログラム・フリーともに3位とすると、日本の団体総合3位に大きく貢献。
キスクラでは喜びを爆発させ、歓喜のハグを見せてくれていました。
この大会後、三浦選手は
「この2週間、リモートなのですが、合宿みたいに毎日毎日ハードなレッスンをしてきたのが良かったのではないかと思います!」
と日本での過酷な調整を明らかにすると、木原選手は横で頷きながら笑顔を見せてくれていました。
また、結成2シーズン目にしてここまで良い成績を出せたことについて問われると
「トライアウトでシングルツイストを一緒にやったんですけど、最初から高さが今の高さに近いのが出来たので、ツイストってこんなに浮くんだと…」
と木原選手がトライアウトで感じた相性の良さを語ると、三浦選手も
「ツイストって、こんなに滞空時間長いんだ…」
と互いに感じていたことを明かしてくれていました。
そんな相性の良さに加え、コロナ禍を乗り切った際の絆、さらにはコーチやチームメイトなどのサポートなど、様々な要因が今の2人の奇跡の演技につながっているのでしょうね。