4月13日から競技がスタートする、世界フィギュアスケート国別対抗戦2023。
この大会の参加国の出場資格に利用されている『世界ランキング』を見直した時に、今シーズン出場した大会全勝のりくりゅうペアが、まさかの2位という事実に気づいてしまいました。
東京体育館を会場に開催される今大会には、宇野昌磨選手や坂本花織選手、かなだいカップルらが出場するとあって、優勝を期待しているファンの方々。
その中でも、上位入りに欠かせない選手として、りくりゅうこと、三浦璃来選手と木原龍一選手の名前が上がっています。
そんな2人は今シーズン、出場する全ての大会で優勝を飾ってきましたが、ISU(国際スケート連盟)が発表する、過去複数の大会の成績を総合して算出される『世界ランキング』と、現在の競争力を示すための『シーズン世界ランキング』で、どちらも2位に…。
四大陸選手権や世界選手権などのチャンピオンシップスや、ファイナルを含めるグランプリシリーズでは圧巻の優勝となっていましたが、ペアの他の組が出場しているチャレンジャーシリーズなどに出場していなかったため、その分の点数が加算されないのが原因となっています。
それにしても、それらの国際大会に出場していなかったにも関わらず、世界ランキングでは、今シーズンりくりゅうの最大のライバルで、世界選手権2位などの成績を残した、アメリカのアレクサ・シメカ・クニエリム選手とブランドン・フレイジャー選手組と僅か27点差。
シーズン世界ランキングにおいては、グランプリシリーズや世界選手権で1位になれずとも表彰台に上がり、チャレンジャーシリーズなどでポイントを稼いだ、イタリアのサラ・コンティ選手とニッコロ・マチー選手組と80点差となっているのです。
今大会の出場国選考基準には、この各国の選手たちが獲得した世界ランキングポイントが使用されており、ISUに加盟している国のうち、選考基準上位6ヶ国が出場国となります。
ちなみに今回は、ホスト国ということもあり、日本は選考結果にかかわらず出場となっています。
それにしても、りくりゅうの2人の今シーズンの感動の演技や安定感などを考えると、世界ランク2位というには、物足りなさを感じてしまいます。
しかし、そんな2人の演技は日本のみならず世界中、そして選手たちにも大きな勇気と元気、そして笑顔を届けてくれています。
3月末の世界選手権直後に発表された今大会の出場選手。
その記者会見の中で、「刺激を受けた瞬間」を一人ずつフリップに書き、その想いを語る場面があったのですが、その際にかなだいカップルの村元哉中選手がフリップに「りくりゅう」と書いていたのです。
村元選手は、そのことについて
「木原選手は私と同期。
シングルからペアに転向して、10年間頑張ってきた姿を見て、ようやく世界チャンピオンになった。
璃来ちゃんという素晴らしいパートナーとも巡り会えて、カップル競技の大変さを本当に理解しているので…」
と語り、会見でカメラや人目があるにも関わらず、目に涙を浮かべ
「喋りながらすごい泣きそうになって、本当にすごいなと…」
と同期の木原選手のこれまでの苦労や、ともにカップル種目を盛り上げる同志としての称賛の言葉を語ってくれていたのです。
この村元選手からの熱いコメントを受け、三浦選手は
「ありがとうございます!」
と感謝の言葉を述べ、木原選手は
「今までは僕たちが誰かから力をもらう、刺激を受けるという立場だったが、初めて他の方の力になれたってことは、物凄く嬉しい」
と語ってくれていました。
世界ランクの順位以上に、多くの方々に感動を届けてくれたりくりゅうの2人。
そんな2人は、今大会に向けて
「シーズン最終戦なので、悔いなく笑顔で終えられることを目標にしたい!」
と力強く語ってくれ、ファンの方々からの期待も高まっています。
また、トレーニングやシーズン中などは体調を整えるために、管理された食事をとっていることもあり、三浦選手は
「世界選手権終わった後に、食べたいものを食べてるので、国別までに絞りたい!」
と、アイスショーなどでの減量を誓ってくれていました。
そんな期待のかかる2人は、世界選手権後の3月30日から4月9日まで行なわれているスターズオンアイスに毎日のように出演しており、ショーの中で素敵な演技を披露してくれています。