来シーズンに向け、カナダで充実したトレーニングに励んでいると見られる『りくりゅう』ペア。そんな二人を待ち侘び、あの手この手でロスを乗り切ろうとする方々へ、もちろんそうでないかたにも、りくりゅうのこれまでを振り返り、気になった話題をお届けする第4弾です。
今回は、2人が出会う前までのそれぞれのシングル時代を振り返ってみようと思います。
三浦璃来選手も木原龍一選手も、ペア転向以前はシングル選手として活動しており、その頃から現在の『抜群の相性の良さ』に通じるトレーニングをしていたことが判明。
4歳の頃、自宅でテレビアニメのフィギュアスケートのシーンを観ながら「私も滑れる!」と真似して動き回っていたという、活発な少女だった三浦選手。
5歳でスケートを始めると、空手を一緒に習っていたこともあり、力強いスケーティングを見せていたそうです。
時差でいつ歳が変わったのかが分かりませんが、、
— Riku Miura 三浦璃来 (@miurariku1217) 2019年12月17日
18歳になりました😌
たくさんのメッセージ、すごく嬉しかったです!!
本当にありがとうございました😭❤️ pic.twitter.com/14IaZRE4Fd
2014年までシングルとして活動してきましたが、最後に出場した全日本ノービス選手権大会で28位という結果もあり、ある人からの一言でペア転向を決意。
その人とは、三浦選手を指導していた、ソルトレークシティーオリンピック4位などの実力をもつの本田武史さん。
シングルとして三浦選手の伸び悩みを感じていた一方、しなやかな筋力と、小柄な体形をペアで生かせると実感し、三浦選手に
「ペアでもオリンピックに出ればオリンピアン!
これは逃げたことにはならない。やらずに悩むよりやってから後悔しては?」
と説得したそうです。
実は、小学4年の頃からシングルと並行してペアの練習もしていたそうで、高く跳んだりアクロバティックな技をしたりすることに怖がらず、
「自分1人で跳ぶよりも楽しい!遊園地みたい!」
と楽しさを感じていたとのこと。
これを喜んだのは、名古屋で指導者として活躍する元ペア選手の若松詩子コーチ。
小学3年の時から日本スケート連盟のトライアウトで三浦選手を指導しており、その時のことを若松氏は
「小さくて、元気いっぱいな少女でしたね。スタミナもものすごくあった。
トライアウトの合宿では、練習が終わっても『まだやりたい!』と言っていました。
ペア向きの小柄な選手で、何よりリフトなどのアクロバティックなことをやっても怖がらない気持ちの強さがあり、それを楽しいと言っていた!」
とペア転向を大歓迎していました。
一方の木原選手も、4歳の頃から有り余っていた体力を消費させようと、母親からスケート教室に入れられスケート人生をスタート。
他のスポーツ教室にも通っていたこともあったそうですが、すぐに脱走…。
しかし、スケートだけは続けていたとのこと。
そんなスケートの魅力を、幼い頃の木原選手に伝えていたのが、中学2年まで指導してきた荻野正子コーチ。
有り余る体力の木原選手と鬼ごっこをしながら、スケーティング技術を磨き、スピードと一歩からの加速を身につけさせていたそうです。
高校時代、そんな力強いスピードと有り余るスタミナを武器に挑んだ、2010年の全日本ジュニア選手権では2位となり、初出場となった同じシーズンの全日本選手権では、12位で新人賞を獲得。
この時は、ペア転向を微塵も希望していなかったそうです。
そんな木原選手は、大学時代の全日本選手権で3年連続12位と思うように順位が上がらず、国体を最後に、シングルからペアに転向を考えるようになったとのこと。
実は、2011年に初めて参加したペア競技者育成のためのトライアウトで、その素質を見出されていました。
そんな木原選手を、ペアに口説き落としたのが、元ペア選手の高橋成美さん。
オリンピック出場のためということもあり、トライアウトで一緒に滑り、木原選手の滑りにその素質を感じ、連盟も加わり必死に説得をして、ペア転向となっていたそうです。
そんな2人が出会い、最初に互いに感じたことはその『抜群の相性の良さ』。
実は、三浦選手を指導していた本田さんを現役時代に指導していたのが、木原選手を中学3年から指導し、それまで荒川静香さんらを指導してきた長久保裕さん。
ストローキングの手法で似た点があったそうで、重心を下げ、体重を落としこんで氷に伝えてプッシュするという、氷の捉え方が似ているとのこと。
シングル時代に持ち味だったスピードが落ちていたことに悩んでいた木原選手も、三浦選手と組んでからは元に戻ったそうです。
基本のスケーティングの部分で繋がりがあったりくりゅうの2人は、今シーズン(*2021-2022)北京冬季オリンピックや世界選手権で、日本歴代最高位をマーク。
今後も、この相性の良さを武器に、さらに高みを目指してくれると信じています。