全仏オープン女子ダブルスで、不当な失格処分となっていた加藤未唯選手。
自身のSNSでボールガールとの2ショットを投稿するなど、加藤選手の品性が称賛される中、大会運営側が「処分取り消しの措置は取らない方針」と語ると、多方面から様々な見解が寄せられています。
I'm glad to hear that you are doing well and continue to Volunteer as a Ball Girl. It makes me very happy to hear this. I hope you enjoy the gift that I got you, and I look forward to seeing you again! Wishing you the Very Best! pic.twitter.com/EvCg6M8zSw
— Miyu Kato / 加藤 未唯 (@miyukato1121) 2023年6月9日
今回の件で、大会ルールブックを確認すると
「選手は試合中、合理的にポイントを追求する場合を除き、大会会場の範囲内で暴力的、危険、怒りをもってテニスボールを打ったり蹴ったり投げたりしてはならない」
とあり、今回のボールガールへの返球がこれに該当したとのこと。また、
「グランドスラムのスーパーバイザーと協議した審判の決定を最終とし、上訴できないものとする」
との文言があるため、今後も今回の加藤選手の失格判定は覆らない可能性が…。
そんな世界中から今回の件に注目が集まる中、大会運営側がコメントを発信。
現地時間6月11日、今大会ディレクターで元世界ランク1位のアメリ・モレスモ氏は、現地で開かれた大会総括の記者会見で主催者側としての見解を初めて明かし
「この件に関して、かなり意見が分かれていると思うが、私はコメントするつもりはない!」
と明言。続けて、
「なぜなら決定は、審判とスーパーバイザーによってビデオを見ずに下されており、グランドスラムのルールに則って下した判断は明確なものだからだ!」
とビデオ記録があるにもかかわらず判定をした、審判とスーパーバイザーを尊重するコメントを発表したのです。
さらに、本来であれば加藤選手の混合ダブルスへの出場も叶わなかったのですが、失格処分の取り消しや賞金・ポイントの返還に応じることはできない代わりに、特別に混合ダブルスへの出場を認める措置をとったとのことで、このコメントにも反発の声が…。
前スポーツ庁長官で、水泳のオリンピック金メダリストでもある鈴木大地氏は、
「1度警告だったものが、スーパーバイザーが入ってきて突然失格になった。
その経緯をもう少し説明する義務がある。こちらとしても泣き寝入りせずしっかり主張するべき!」
と語っています。
国際スポーツ裁判所への訴えについては、多くの方々から賛否あるようですが
「運営側の感情論まみれになった声でなく、適正にルール改正することを望みます…」
との声も…。
プロテニス選手協会としても「不公平で不当な処分」との声明を出し、抗議する姿勢をみせています。
しかし、加藤選手としてはそのような訴えはしない方針のようで、自身のSNSに
「全仏オープンは常に感動の記憶となるでしょう。
私にとって最も大切なトーナメントの1つであり、パリは今でも私のお気に入りの都市の1つです。
来年も楽しみにしています!」
と投稿しています。
Roland Garros: The French Open will always be a memory of emotions; one of my most cherished tournaments, and Paris is still one of my favorite cities! I look Positively forward to next year🇫🇷
— Miyu Kato / 加藤 未唯 (@miyukato1121) 2023年6月11日
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そんな不当な失格処分を受けながらも、混合ダブルスで優勝した加藤選手への称賛の声は、世界中からいまだに届けられており、この件については大会主催者側などからの正式なコメントが待ち望まれています。