世界チャンピオンであるりくりゅうペアの、力強く、そしてスピーディーな演技を支えてくれているスケート靴。そのブレードで支援している山一ハガネさんから、サポートがあったことを木原龍一選手が報告すると、ファンの方々から喜びと期待の声が寄せられています。
木原選手のケガにより、四大陸選手権に向けて存分な練習ができなかったにも関わらず、三浦璃来選手とのこれまでの積み重ねと絆の強さでSPもFSも滑り切り、最後は笑顔で銀メダル獲得を喜んでいた2人。続くチャレンジカップや世界選手権に向け、練習が始まっています。
この大会の中で、木原選手は自身の体だけでなくパートナーの三浦選手の体のケアもしながら、自身の滑りを支えてくれているスケート靴も丁寧に手入れ。どうしてもリンク上での動きに目がいってしまいますが、こうした手入れを欠かさずしていることも大事なのでしょう。
そんな木原選手はカナダに到着後、自身のSNSに「いつもありがとうございます!」とブレード製造元の山一ハガネさんから頂いたYS BLADESの画像を投稿。木原選手だけでなく、そこに三浦選手が加わっても変化せず、他社にはない特徴のあるこのブレード。
名古屋に本社を置き、特殊鋼素材の供給から高精度な金属部品製造までを担う山一ハガネさんが作るYS BLADESは、海外メーカーが主流だった当時、困っていた小塚崇彦さんとこの会社との出会いから開発がスタートしており、今では宇野昌磨選手ら多くの選手が愛用。
『選手の体に優しいブレード作り』にこだわり、ジャンプなどの衝撃に耐えられるよう材料には曲げや衝撃に強く、しなやかで強度の高い特殊鋼を採用し、手が触れる部分は角を丸く処理するなど、細部にも気を配り製作しているこのブレードをりくりゅうの2人も絶賛。
以前の対談においては、
「山一ハガネさんのブレードに変えてから、本当に『一歩の滑り』というのがすごく滑るんですよね。凄くそれに驚いて…それでより一層、龍一くんとの滑りが合ってきたなって感じています!」
と三浦選手がその衝撃を語ると、木原選手も…
「スピードも落ちないですね。三浦さんはチームを結成した当初はまだ違うブレードを使用していたんですが、提供していただいてからは三浦さんの滑りもさらに伸びるようになって、僕たちのスケーティングのキレも上がってきましたね!」
と大絶賛していました。
そんな山一ハガネさんのSNSをのぞいてみると、鋼の塊を1本1本丁寧に削り出す様子も投稿。さらに金属は気温によって影響を受けやすいこともあり、工場内を一定の温度に保つなど、選手たちのことを一番に考えた品質となっており、2人にとって手放せないアイテムに…。
価格は両足で15万円近くするも海外製品よりも安価で、企業としては手間などがかかるため利益はほぼないそう…。それでも「選手にいいものを履いてもらいたい」との一心で製作してくれているそうです。