7月20日から、オーストラリアとニュージーランドの共同開催で行なわれているサッカー女子W杯。
この開幕戦を、日本人審判員3名が担当したことも大きな話題となっていたのですが、主審を務めた山下良美さんの素晴らしい対応に、世界中が大興奮となっています。
ニュージーランド最大都市・オークランドで行なわれた、開幕戦のニュージーランド対ノルウェー戦。この試合の主審を山下さんが、副審を坊薗真琴さんと手代木直美さんが担当しており、女子W杯の開幕戦で日本人レフェリーが主審、副審を務めるのは初という歴史的瞬間に。
本日の開幕戦 #NZL v #NOR の笛は...
— FIFAワールドカップ 🏆 (@FIFAWorldCup_JP) 2023年7月20日
山下良美主審、坊薗真琴副審、手代木直美副審の3名の日本人が務めています 🇯🇵👏#BeyondGreatness | #FIFAWWC
地元・ニュージーランドの初勝利を願い、会場には多くのファンの方々が大集結。
そんな大観衆が見守る緊迫の開幕戦となっていましたが、「大会の成功に向けて全力を尽くしたい!」と意気込んでいた山下さんたち3人は、序盤から拮抗した展開も落ち着いてジャッジ。
後半48分には、ニュージーランドが豪快なシュートで先制し会場は大盛り上がり。
しかし、試合終了間際にニュージーランドが蹴ったボールが、ノルウェー側のペナルティーエリア内で相手選手の腕に当たると、PKかどうかVAR(ビデオアシスタントレフェリー)で確認することに。
今大会を仕切るFIFAは、7月初めに今大会でVARを用いることを発表しており、すでにU-20W杯で試験的に実施してはいるものの、男女のシニアW杯、さらには主要大会でVARが用いられるのは今回が史上初の事となっており、緊張が走った会場内…。
山下さんは、ピッチ脇のスクリーンを確認した後、英語で
「主審の山下です。
クロスボールがペナルティエリア内で相手選手の手に当たりました。
つまりハンド!
ハンドですのでニュージーランドのペナルティで試合再開です!
以上」
と力強く宣言すると、会場からは盛大な拍手が。
この様子を会場で見ていた海外メディアは、山下さんの対応について
「スタジアム内では、かなり明確で素早いプロセスだった。
開幕戦でニュージーランドのW杯初勝利がかかっていたため、アナウンスに対するリアクションは劇的だった!」
と迅速で丁寧な判定を高評価。
また、元イングランド代表のイアン・エドワードさんも、大歓声の会場でこの出来事をご覧になっており、自身のSNSで「あの新しいVARシステムは最高だ!」とのコメントとともに、会場でファンの方々と大興奮する自身の姿を投稿してくれていました。
That new VAR business was good 👏🏾👏🏾👏🏾 pic.twitter.com/0QbvJdgBpi
— Ian Wright (@IanWright0) 2023年7月20日
この山下さんらの素晴らしいジャッジぶりに、ファンの方々からは
「あそこでVAR判定いくとは…流石です!
あの大舞台で冷静にいけたのは本当に素晴らしい♪」
「初の試みに日本人が関われたのは誇らしい!」
との称賛の声が続々と寄せられています。
なお、今大会、32チームが8組に分かれ総当たり戦で争う1次リーグは、各組上位2チームが決勝トーナメントに進めることとなっており、C組のなでしこジャパンは22日にザンビアとの初戦を迎えることとなっています。